広汎性発達障害の危険因子に関する研究
この研究は、東京大学大学院医学系研究科・医学部倫理委員会の承認を得て、都内の2つの専門機関(社会福祉法人全国心身障害児福祉財団・全国療育相談センター、練馬区立心身障害者福祉センター)と協力して行われています。
対象となるのは、2専門機関において、当教室の前教授で本学名誉教授の栗田廣先生が主治医であり、自閉的な発達障害群である広汎性発達障害(小児自閉症、非定型自閉症、アスペルガー症候群など)の診断を受けられたお子さんに関する情報です。
この研究では、カルテ(診療記録)から必要な情報をデータベースに入れ、統計的に処理しますので、情報の管理には最大限の配慮をし、個人を特定可能な情報(氏名や施設ID等)は一切含まれていません。
広汎性発達障害は、乳幼児期に発症し、患者の生涯にわたって専門的関与の必要な障害群であり、近年、その有病率は1%弱と統合失調症(精神分裂病)とほぼ同様の有病率が報告され、児童精神医学領域のみならず、成人精神医学領域でも注目を集めている重要な障害群です。広汎性発達障害の発症脆弱性の形成には、詳細は不明であるものの、遺伝的要因が重視されていますが、それ以外の要因も想定されています。
広汎性発達障害に関する理解の向上のため、みなさまのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
平成18年2月1日
東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野
社会福祉法人全国心身障害児福祉財団・全国療育相談センター
練馬区立心身障害者福祉センター